翼に ―大切な敵―





「あ。」


俺を見ると真顔で近寄り視線を同じくした。



「な、なんだよ」



整いすぎた顔を見ると怯みそうになる。



「あたし、頼んだよね?」



「お、おう。」



「なんで起こしてくれなかったの?」



「それは」


「それは?」



「プライドだよ」


「プライド?男の?」


「いや、違う。」



「なに」



言うしかねえか。



「俺は鳳龍の幹部だ。」



目を見開いて驚く…のかと思っていたのに



「なんだそのあからさまな『ゲッ』って顔は。」



「……ぃあく」


最悪っつったか?

こいつ鳳龍馬鹿にしてんのか?



胸倉を掴み、持ち上げる。



立って顔をのぞき込む。