翼に ―大切な敵―





「んじゃ、てめえの席は窓側の空いてる席だ」



菅は明らかにキレながら…、つーか"逢沢奏"にキレながら言う。



それを見て面白そうに一度微笑んで、真顔で口を開く。



「拓真朝から怒ると血圧上がるよ」



菅を呼び捨てにした挙句、額を突っついた。



菅も目を見開いている。


普通の女だったら、泣くか怖気付く。
男だってそうなる。

菅元ヤンで、鳳龍の6代目総長だから。


今は8代目。


それとも、この二人知り合いとか?

いや、ねえな。菅の表情からして。



菅を眺めていると、クラスの奴らの目が俺の方に向く。


え?


いや、俺じゃない。俺の隣?

誰だっけ。