「なぁー」


漸がパンを頬張りながら言う。


「ん?」


漫画本を読みながら返事をするあたし。


「お前のさ」


今日は何故かあたしと漸だけが倉庫にいた。


「何ー?」


「お前の、大切な人?ってどんな奴だ」



真顔で聞いてくる漸。


あたしは、目を合わせられなくて、ソファに寝っ転がりながら、天井を見て答えた。



「カッコイイ人」


「祐介よりもか?」


「んー。あたしの中ではね」


「喧嘩は?」


「強いよ」


「祐介よりも?」


「うん。まあ、今は植物状態で2年経つから、昔みたいにはいかないと思うけど」


「植物状態なのか。」


「うん。」


「好きなのか」


「うん。」


「祐介よりもか?」


「………」


なんで漸は…………