「は?」
「……ヤッてない!」
今まで何人かの人と付き合って来たけど、体の関係だけは持ったことがなかった。
いつもキス止まりで、どんなに好きな人でもそれ以上は体が受け付けなかったんだ。
好きなのに受け入れられないっておかしいけど、いくら試してみてもムリで。
結局、それが理由でいつもフられて来た。
っていうか、そもそも彼氏がいるっていうのはウソ。
「は?ヤッて……ねーの?」
「うん……っ」
奴の動きがピタッと止まり、私は恐る恐る顔を戻した。
そこには真剣に私を見つめる奴の顔があって、色っぽくツヤのある瞳にドキッとさせられた。
「っていうか、彼氏なんていないから……!さっさと下りてよ」
「は?いない?」