双子兄貴の恋愛事情。(仮)



「…ん?…んー…よくわかんないけど……俺ってミズキ先輩に似てんの?」

「…う…うん…。優しいとことか、周りのこと考えてるとこ…とか…」

「あ……そっちか…」


なぜか私の心臓がドキドキしている…。

家でハリマの話をしてること…本人に知られるのは、なんだか恥ずかしかった。



「ミズキ……」


…ミズキ………ヒカレ…!


「あのさっ…ハリマ!急でごめん!…付き合ってほしいんだけど!」

私は少しの間忘れていた…放課後やらなきゃいけないことを思い出した。

「えっ?!付き合…っ…はっ?」

「放課後空いてる?よね?…駅前のシャインに行かなきゃならないの!」

「…シャイン?…カラオケ?」

「そう!」


この時のハリマは、私の『付き合って』を一瞬…告られたと思った…らしい。

昼休みの後の授業中、「ビックリした」とLINEがきた。


ヒカレの事情を話すと、ハリマは快く放課後の尾行をオッケーしてくれた。

「見つかったら殴られるかもよ?」と、一応確認したんだけど…。

「殴るのは苦手だけど、拳を避けるのは得意なんだよね」と笑っていた。


本当に…いい奴だ…。



そんな中、私はすっかり忘れていた…。


あの女の存在を…。