「悪い姫島」

「え?」

「この話、持ち帰ってもいいか?ちょっといろいろ考えてーんだ」

「…わかった!いつでもいいから、そんなに焦らなくてもいいよ」


そうやって、優しく笑う姫島に今は救われた気がした。

それから俺は、姫島と別れてまっすぐ家に帰ることにした。

家に着いたのは夕方頃で家にはまだ誰も帰っていなかった。

すぐに自分の部屋へと二階に行き、入ってベッドに倒れこむ。

ここは間違いなく自分の家で、匂いとか家具の位置とか当たり前だけど朝見た時とそのままで少し落ち着く。

あーーーー。どうすっかな…。

さすがに顔見知りの女子とルームシェアなんて気が引ける…。

別に姫島が嫌とかそんなのはない。

むしろ他の女とルームシェアするなら姫島とする。

だけど、


「こればっかりは、すぐには無理だな」


姫島の言葉に甘えて、ゆっくり考えよう。

もう少しだけ探そう。

俺も俺なりに頑張るか…。

俺はそう思い、部屋を出た。