通された部屋はリビングだった。
広くて、ちゃんと整理されてる。
なんだか意外ですごくシンプルなリビングだった。
「広っ…」
「だよね。私も最初見た時はびっくりしちゃったよ!」
そう笑いながら言う姫島は荷物を置いて、キッチンに立った。
「もうお昼だし、何か作ろっか!黒崎くん、食べれないものとかある?」
「え?いや、特にこれと言って…」
「そっか!じゃあ、急いで作るから適当に荷物置いて、座ってて!」
姫島は言うだけ言って、料理に取りかかった。
俺は話が進みすぎて、困惑しながらも静かにソファーに座って姫島を待つことにした。
たまに姫島の鼻歌が聴こえてきて、なんだかさっきまで変な緊張していた自分がアホらしくなってきた。
