エレベーターから降りて、姫島は503とプレートに書かれてる扉に止まる。
ゴソゴソとカバンから鍵を取り出し、差し込んで回せばガチャンと音が響く。
「どうぞ、入って?」
「お、お邪魔します…」
姫島に言われて入ると、玄関なのに清潔感があって綺麗に靴とかは並べられている。
そして、自分の家では感じないが他人の家に上ると、なぜその家の匂いは感じるんだろうか。
久々に女子の部屋に入るから変な緊張をしてしまう。
俺が玄関で立ち止まっていると姫島は不思議そうに俺の顔を覗き込む。
「どうか、した?」
「え!?あーいや!なんでもねーよ!」
「そう?ならいいんだけど…。昨日少し掃除したけど、散らかっててごめんね」
そう言いながら、俺は姫島に部屋に通される。
