それは、第10世紀エンプトラ世の頃である。

農業で盛んな国、リオデス国の帝(オウ)室でその赤子が生まれた。

たくさんの人々がこの赤子の誕生を祝福した。
「あぁ、姫君…姫君であるぞ!」
「やりました!あぁ、この国にもついに姫君が……っ!」

だがそれもつかの間、第25代王帝ジルバード・ヴァレンティアは赤子の容姿に目を見張った。
「…なんとっ………災いの、白…だと?」
そう、その赤子は…異常なまでに真っ白だったのだ。