ガチャン





扉が閉まる音が響く






何となく気まずい





でも……………






「賢人……………ごめんなさい





あなたに辛い思いをさせてしまった





母親として最低なことを





許してもらおうとは思ってないわ




でも、何度でも謝りたい




賢人、ごめんなさい」







前の俺ならきっと怒鳴り散らしていただろう





でも、今は素直にその言葉を受け入れていた






それは、きっと高瀬のおかげ






「許さない




でも、もう良いよ」






「え?」






「まだ、正直頭真っ白なんだ




でも、俺は父さんと母さんにとって必要ないと思ってたから……………」







「そんなことないわ!





あっ、ごめんなさい





私はあなたが産まれて嬉しかった





愛してるわ、賢人…………」







「…………………っっ」






愛されてるなんて思ってなかった






思ったこともなかった









ずっと俺は







独りだった










「遅いかも知れないけど…………





もう一度、最初からやり直して良い?」







「……………うん、母さん……………」







母さんは、俺に抱き着いてきた





初めて触れる母親






こんなに、小さかったんだ






俺たちは初めて話をした






今までの思いを





母さんは、何度も何度も謝っていた






許したわけではない





過去は未だに自分を苦しめている






でも、






家族として









もう一度、始めたい