「お、お母さんなんて!私は母親なんかじゃ…………」






「お母さんです、賢人くんを産んでくれました



こんな私と出会ってくれました」





「……………っっ」







高瀬の言葉に嬉しくなる




生きる意味を無くしていた時期もある




でも、そんなのこの人に言っても無駄だ




逆に傷付けられるだけだ






「高瀬!もう良いだろ、この人と話す必要なんてない」





「中野くん、私がでしゃばってごめんなさい





でも、」





高瀬はぎゅっと俺の手を握った





小さな手はいつも俺を安心させてくれる




でも、この人の事は別だ






「お母さん、私を見てホッとした様に笑ったんだよ





純粋に息子の彼女に会えて嬉しかったんじゃないかな?






中野くん、もう……………「俺は!!」」







高瀬の言葉を遮る





先を聞きたくなかった














「こんな人、母親だなんて思ってない」