「だっせー!」




「やだぁ!賢人~かわいそうだよ~」





かわいそうなんて言いながら笑ってる女




でも、そんな俺達に見向きもしない






そいつは、一週間前に転校してきた




同じクラスで席は前




'高瀬優菜です'と簡単な自己紹介




メガネに髪はみつあみ、制服丈は規定通り



ブラウスは一番上までしっかり止めて




所謂、優等生





'中野くんの前ね!後ろから二番目の空いてる席よ'そう先生に言われて




自分の前で、しかも優等生の女子




あー、面倒くさいとため息がもれる






「今どきだせぇ格好」





静かに俺の前に座るそいつにボソッと呟けば




メガネ越しに真っ直ぐな瞳とぶつかる






「な、なんだよ」






女に見られるなんて慣れてるのに狼狽えてしまう







「別に」