朝から先輩に会えただけでも嬉しいのにおはようって言ってもらえて私はルンルン気分で下駄箱に向かった。 すると― 「陽菜ちゃん」 と呼び止められた。 振り向くと春先輩が立っていた。 春先輩と一対一で話すのは初めてだったので緊張した。 「…陽菜ちゃんはさ、山下の事好き?」 『えっ…?』 突然の質問に私は戸惑った。 少しの沈黙が続いた。 『…好きです』 何故か私は声が震えていた。