放課後。
約束のカフェに私達は訪れている。

ピンクと茶色の壁が甘い香りとマッチして、女の子の好きなものが詰め込まれてる感じ。


「すごい、可愛い」

「オシャレだね」

店内を見回して感動する私たち。


このカフェがある駅前は、この辺りで唯一賑わっている場所。

新しいカフェにこの辺りの女子高生達が集まっている。

私たちの高校よりも少し垢抜けた子達の制服姿。

カフェの近くの高校に通う子達だ。

校則も緩いらしく、自由を求めてこの高校を受験する子も少なくないそうだ。


沙由奈や真紗希の友達が結構いるらしい。


カフェの中は甘い香りがして幸せな気持ちに…


私達は席に着くと、それぞれ違うものを注文した。
いろんな種類をちょっとずつ食べる作戦だ。

友達4人でカフェに来るとか…初体験だ。


「ねぇ、それでどうすんの?沙由奈」

真紗希がモンブランのパフェをスプーンですくいながら聞いた。


「え?何が?」

沙由奈はクレープを一口食べると目を丸くした。


「緑井くんのこと?」

私はイチゴのタルトを食べながら、沙由奈に視線を移す。


「……」


芽衣はクリームがたっぷりと乗っかったパンケーキを無言で食べている…


「芽衣、クリーム…」


沙由奈が頬っぺたをチョンチョンとつつきながら芽衣にクリームが付いている場所を教えた。


「話逸らしたな」


真紗希が笑った。


「今の私じゃダメだから」


沙由奈が冷静に答えた。


「じゃあ、せっかくここまで来たんだし。沙由奈を返信させちゃおうよ?」


真紗希の提案に、芽衣が目を輝かせながら頷く。


「いや、外見だけじゃなくて中身も…」

沙由奈が首を振った。


「でも、外見だって大事でしょ?」

真紗希のにっこり笑う笑顔に押されて…


「う、うん…」

と、沙由奈が頷いた。