「怒って…ない…よ?」

赤くならないように、ドキドキがばれないように…


ぎこちなく瀬戸くんを見た。


隣に立っていたサッカー部の前原くんがペットボトルをポロっと落とした。


「え?」


前原くんを見ると、


「ツンデレ最高!」

と叫んだ。


何?

なんだか周りの人達の顔が赤い。


「破壊力すげぇ…」


と、奥田くん。


何?このサッカー部のノリに全然ついていけないんだけど。


目の前の瀬戸くんに視線を戻すと、瀬戸くんが腕で口元を隠して、一息つくと、


「そういう顔、こんなとこですんなよ」


そう言って、食べかけのクリームパンを持った私の手を引っ張って自分の口元へ引き寄せた。


「罰…」


そう言って、私の大好きなあと一口分残ってたクリームパンをパクッと食べた。