芽衣や私に沙由奈が悪態をつくのを見ている人達は、どう思っているんだろう。


関わりたくない。

自分じゃなくてよかった。


厄介だと思う人もいるだろうし、怖いと思う人もいるだろう。


沙由奈の態度を見て強さを感じる人もいるのかもしれない。


芽衣をあそこまで追い込んだ沙由奈達。

あの日、生きる事の方が死ぬ事よりも怖いと芽衣に感じさせたあの子達…


あの子達に何の権利があってこんなことされなきゃならないんだろう。


ガチャっとドアが開いてタオルを被った芽衣が入ってきた。

頭から湯気が出ている。


心のモヤモヤがフッと消えて笑えてきた。


「ごめんね、先にシャワー浴びちゃって」

申し訳なさそうにする芽衣がいつもより童顔で本当に小さな子どもみたいに見える。


「全然、大丈夫。それより髪乾かして、ドライヤー持って来るから」


急いで出てきたんだろうな。

髪の毛ビショビショ。

私の服がブカブカしてて、芽衣の小柄さがよくわかる。