お昼休みは再び屋上に。

いつもの4人でお昼ご飯。


「噂になってるね」

「もう朝からラブラブ過ぎて目のやり場に困るわ」


真紗希がふざけて顔をしかめる。


「でも、晴翔ってあんな風になるんだね」

沙由奈が驚いた顔で言う。


「うん。意外だったね」


真紗希が頷いて、私を見た。

「まぁ、そうなる相手に出会ったってことだね」


「へ?」


パンにかじりつきながら、真紗希の言葉に反応する私を見て、

「自覚なしみたい」


沙由奈と笑った。


芽衣がモジモジしながら、突然…

「あ、あのね。昨日、健斗くんが家まで来て、その、告白されて」

と、切り出した。


「それで?」


身を乗り出す3人。


「付き合うことになりました」


芽衣が恥ずかしそうに報告する姿に、なんだかうれしくなる。


「健斗くん、最初はチャラくて印象悪かったけど。純粋でいいよね」


芽衣の顔、嬉しそう。

好きな人が褒められるのって嬉しいもんね。

こんな芽衣の顔が見られる日が来るなんて。


あの夜のことを思い返しながら、胸に熱いものがこみ上げてくる。

お互いにいいスタートがきれてよかったね、芽衣。


芽衣と目が合って、笑い合う。


新しい季節がやってきた。

眩しくて目がくらみそうになるけれど、大切なこと見失わないように歩いて行こうと、今、心からそう思った。