青い春の真ん中で

沙由奈も真紗希も赤面。

私は風呂上がり並みにのぼせて、もう頭がクラクラしてきた。


「それに…有輝のことなんか忘れさせてやる。お前の入る余地なんか俺が絶対作らねぇから」


有輝を睨みつけた後、私の手首についた有輝の手の跡に瀬戸くんは優しく口づけた。


きゃあああ…


心の中で叫んだ。


「行こう、歩成…」

瀬戸くんに肩を抱かれて私は屋上を後にした。


何気に呼び方変わった…

これ本当に今、自分の身に起こってることとは思えないんだけど。


「あ、あの…」

私、まだ告白もしてないし…

どうなってしまったんだ。


この展開は、全くの予想外で、私のしょぼい恋愛経験値では処理のしようもなく。

フリーズしかけている。


「ごめん、勝手に暴走しちゃった…」


階段を下りたところで、瀬戸くんは恥ずかしそうに頭を下げた。


さっきの強気な瀬戸くんとは裏腹に、なんだか怒られた子どもみたい。