青い春の真ん中で

「歩成ちゃん、こっちおいで」

瀬戸くんが出した手につかまるように私は有輝の前を通り過ぎて、瀬戸くんの隣に立った。


「俺は歩成ちゃんが…好きだ。歩成ちゃんの変わらない部分も、変わっていく歩成ちゃんも、俺は大切にしたいって思ってる」


まっすぐ有輝を見て話す瀬戸くん。その姿に、誠実さを感じる。

泣ける…もう、瀬戸くんずるいよ。

私ばかり、こんなにたくさん気持ちをもらって…

私も瀬戸くんに伝えたい。


涙ぐむ私の視界の隅。

瀬戸くんをうらやむ有輝の暗い瞳。



「晴翔、マジで言ってんの?こいつは俺のだったんだよ。お前2番目でいいの?」


「は?」

有輝はもうヤケクソになってるのだろうか。

意味深な言葉で、私と瀬戸くんの心を揺さぶろうとする。


「ちょ、ちょっと!有輝、私達…」


慌てて訂正しようとした私に、瀬戸くんは優しく微笑んだ。



「まぁ、たとえお前が初めてだとして…俺が歩成ちゃんの最後の男になることの方が意味あるだろ?」


ヤバい…何?

この展開は…

鼻血出そう。


「わぁ…」


芽衣が声を上げた。