青い春の真ん中で

「歩成ちゃんはお前にはもったいねぇよ」

瀬戸くんの言葉に胸がギュっとなる。

こんなちっぽけな私のこと、そんな風に言ってくれることが嬉しい。


「お前がいなくても、歩成ちゃんはこうやって前向いて歩いてきた。色んなことにぶつかってもめげずに乗り越えてきた。だから、今、こうやって友達がついてくるんだよ、歩成ちゃんには」


瀬戸くんが向けた視線の先に芽衣と沙由奈と真紗希がドアから覗き込んで心配そうに見ていた。


「みんな…」

3人の顔を見ると、ホッとして涙が出た。


「俺はそんな歩成ちゃんのこと、ずっと見てきた。お前は…一体、歩成ちゃんのどこを見てきたんだよ？ちゃんと向き合うこともしないで手放したのはお前だろ？」

苦しいこともあったし、悔しい思いもした日々。心ない有輝の言葉で傷ついた心が少しずつ癒されていく。

涙が止まらない。