「何やってんだよっ⁉︎」

有輝に掴みかかったのは…


「瀬戸くん…」


有輝の手が離れた瞬間、すぐ有輝から離れた。


こわい…
震える体を右腕で押さえた。



「有輝、女の子にここまで言わせんなよ。しかも、力づくとか男として最低だぞ…」


瀬戸くんが怒るところ初めて見た。


「俺らの問題だ。お前には関係ないだろ?」


有輝が瀬戸くんの掴んだ手を払いのけた。

「歩成ちゃんは、答え出したんじゃねぇの?なのにお前は自分の意見を押し通してる。これはもうお前だけの問題で、歩成ちゃんは関係ないだろ」


有輝は瀬戸くんを見ない。

そっぽ向いたまま、地面をにらみつけている。


「歩成ちゃんの顔見ろよ。好きな奴にこんな顔させたいのかよ」


有輝がチラッと私を見た。
無意識に体に緊張が走る。


「お前が好きなのは自分自身だろ?」


有輝は瀬戸くんを睨んだ。


「それに…歩成ちゃんに関係あることだとしたら俺には関係ある」

「え?」


瀬戸くんの言葉に私は思わず声を出してしまった。