「え?だから、“大好きな立花さんにそんなこと言ってもらえて嬉しい”って………… あ、」





大好きな立花さん、って……?




橘くん……私のこと、



す、すすすす……すき、なの……?










橘くんの顔を見上げると、タコのように真っ赤に染まっていて、照れくさそうに顔を手で覆い隠していた。



か、可愛いっ!!
今の橘くん、すごく可愛すぎる!





「こ、こんな状況で言うのもあれだけど…………立花さん、俺と付き合ってください」


「…………!?」


「俺……こんなこと言うって、可笑しいかもしれないけど。入学式の日に自己紹介したとき、発表している立花さんの目がすごく真っ直ぐで、力強くて。小さいのに、すごい力を秘めていそうだなって思ったんだ」


「うん……」


「その瞬間からもう、好きだったんだろうな。ホースのできごとをきっかけに話す機会が多くなって、俺のつまんない花の話とか真剣に聞いてくれて、だんだん立花さんの花を見つめる姿がすごく愛おしくなっちゃって……」


「…………ぁ……」




こ、こ、これは夢ですか!!?



大好きな……


大好きな、橘くんから、そんなこと言われるなんて……!!




「わ、私も橘くんのこと、好きです!大好きです!!」




嬉しくって嬉しくって、大好き以外にも言いたいことがたくさんあった。


でも気持ちより先に体が動いて。


思わず橘くんの胸に飛び込んだ…………





…………つもりだったけど、

身長が足りず、橘くんの腰にしがみつくような体勢になってしまった。



「わっ!!……りりりり立花さんっ!は、恥ずかしいっ……」


「“立花さん”やめて!今からモモって呼ばないとダメだから〜!」


「ええっ!?そ、そんな急には……」


「弘也」



調子に乗った私は、橘くんの腰にしがみつきながら、顔だけ見上げてはっきり言ってみた。



「……っ!! ず、ズルーっ!その顔で言うとか、ズルい!反則!」

「モモってよんでよ?ひ、ろ、や!」

「よ、よばねーよっ」



照れくさいとか、そういうのはもう無くなっていた。

私って意外と大胆なのね?



「ふふっ」