貴方を忘れない。

ゴスッ!



鈍い音が部屋に響いた



陽南が男の顔を殴ったのだった


殴っと同時に男を引き離しゆらゆらしながら立ち上がった



まるで生まれたての子鹿のように



「この女、俺様をなぐるとは」



「ふん、あんたな…んかに…食わ…れて
たまるもん…です……か」


「そんな状況でよく言えるな、立つのもやっとなくせに」


「うる……さい…私は…生きなくちゃ…いけ…ないんだ………」



うわっ!


なにかに引っかかった



やばい、窓から落ちる



足を取られたため力を入れようとするが
入らない



あいつ…一生憎んでやる



そう思った時にはもう遅かった



見えるのは逆さまの景色と満月



「あぁ…私死ぬんだ…」