「萌絵(もえ)、お昼食べよー」

「いーよ」

いつも通りの学校、いつも通りの昼休み。

そして、いつも通り、名前のように明るい朱莉(あかり)、名前とは相反して可愛げのない私。


私と朱莉が席を立った時。

「一条(いちじょう)さん」

誰かに名前を呼ばれた。

振り返ると、そこには学校一のイケメン、永瀬翼(ながせつばさ)が。

「永瀬?何の用?」

朱莉含め、周りの女子はきゃーきゃー言ってるけど、私は別にコイツに話しかけられても何とも思わない。

できることなら、今のこの状況。

すっごく誰かとかわりたいんですけど…

自称"翼様親衛隊"の方たちがものっすごくこちらを睨んでるんで。

「なによ、用がないなら私行くわよ」

「待って。一条さん、ちょっとついてきてくれる?」

そういって私の手をひっぱり、教室からでてどこかへと向かう永瀬。

教室のなか、廊下など至る所から女子の黄色い声。

…めっちゃ目立ってるんですけど!?

というか、どこに連れてく気?

「ついた」

そういって立ち止まった、ここは校舎裏。