蛍と光



「救いようのない馬鹿だな」



言われなくても分かっています。


そう伝わるように机に顔を伏せる。



「水城はさすがだ。それに引き換え青柳は英語のセンスゼロ」



返された答案にはバツがいくつも並んでる。



「水城の答案写せ」



「はーい」



光から答案用紙をもらい、答えを書き写していく。



すると隣で光も何かを書き始めた。



そしてそれを先生に見せている。



「ん?何なに?『蛍はやれば出来る子』だと?このセンスで?いいか、こいつはな、俺様の授業を受けていながらこれなんだぞ?出来るはずがない」



「ん?次は何だ?『俺が教える。期末テストでトップを取らせてみせる』だと?それは無理だ。賭けてもいい」



「『何を賭けるか?』だって?ほほう。面白い。そうだな…」



視線を彷徨わせ考えている先生の目は私の所で止まり、ニヤっと笑った。