蛍と光

それより気になるのは光のメモ用紙。



やっぱりこの紙だよね。

これが見慣れた大きさ。



どうして長岡くんが持っていたのは小さかったんだろう?


途中で切れちゃっただけかな?


几帳面な光に限ってそんなことするとは思えないけど。



「おい、青柳。聞いてんのかコラ。俺様より水城の紙に集中するとはどういう事だ。全く可愛くねーな。このやろっ!」



「痛っ!もう、何するんですかっ!」



デコピンされたおデコを摩っていると、先生はニヤリと笑った。



「何、その笑い?」



「お前、俺様と二人きりじゃなくなった事を残念に思っているんだろ?」



「はぁ?」



「分かってる分かってる。大丈夫だ」



「何が?」



「デコピンも愛情。お前の大事な幼馴染みをまとめて教えるのも愛情だから」



バカだ。

果てしなくバカ。

やっぱりバカ。

光を見れば先生の事なんてどうでもよくなるくらい、心が光でいっぱいになるのに、少しだけ先生に心が動きかけた私もバカだ。