蛍と光


肉食系とはこういう男の事を言うのだろう。



「近いです」



そう言っても隣に腰掛けピタリとくっ付いて離れない。



「暑いです」



そう言っても離れない。


むしろさらに寄って来る。



「だあぁぁ!ちゃんと問題解きますから、離れて下さいよ!全く集中出来ませんっ!」



ただでさえ授業前の一件で少しドキドキしてるのに、これ以上私の心を混乱させないで。



「離れたら本当にちゃんと問題解くんだろうな?」



「解きますとも」



「じゃあ、あと15分で解け。解かなければ補習延長。隣の席に俺様移動。スキンシップ解禁」



「はあ?」



この教師、本当におかしい。


教師たるもの、いるべき場所は教壇で、スキンシップはセクハラだ。



でも頭を触られて嫌な気がしなかった。



光に抱き締められた時とは全然違う。



どちらがどうなのかはよく分からないけど、先生に嫌悪感を抱かないなんて。



まさか私、欲求不満?



だとしたら最悪なんだけど。