蛍と光


「(長岡くんから連絡来たんだけど、野球の試合)一緒に見に行かない?」



携帯を見たユカは残念、って言いながら私に返してくれた。



「野球部はイケメン揃いだから行きたい所なんだけど、その日はコンテスト前で彼に作品見てもらう約束してる日なんだ」



「そっか。じゃあ光を誘うかな…でもな〜」



昨日の今日でどうやって顔を合わせたらいいのか分からない。



「何かあったんだね」



ニヤっとした顔で見られると余計にドギマギしてしまう。



「あ、図星?そういえば今日、一緒に来ていなかったもんね。まさか…抱き合う、とかキスとかしちゃった?」



「す、す、する訳ないでしょ!!」



「声が大きい…耳がおかしくなりそう」



「ごめん」



でもキスとか言うんだもん。

焦るよ。


無意識でキスされた頬を押さえると、顔がすごく熱い。



「頬にされたんだ〜」



「なっ!?」



「ほんと、分かりやすいね。でもどうなる事やら。蛍狙いのイケメンたちは案外、肉食系っぽいからね」