蛍と光


そういえばマネージャーさんは学祭の実行委員だった。


学ラン持って来い、着てみろ、店員やれ、って言ったのはマネージャーさんの方なのに。



でもマネージャーさんの話も一理ある。


せっかくの学祭をつまらない思い出にはしたくない。



「分かった。私、裏方に回るよ」



「良かった。頭が良くて助かる。じゃあ、そういう事でよろしくね」



ム。

なんかバカにされた。


新山先生が私を0点取るような馬鹿だとバラしたせいか、それともあの子自身の性格か。


どっちにしてもなんかイヤ。



「蛍?どうかした?」



購買から戻って来たユカが私の眉間を指しながら首を傾げている。



「凄い深い皺だけど」



「うん。分かってる」



目頭をグリグリっと指でマッサージすればシワも気持ちも少しはマシになる。



「蛍、携帯鳴ってるよ」



「あ、ほんとだ」



そのメールの内容を見て、なんでこのタイミングで…って思う。



だからマネージャーさんには聞こえないようにこっそりユカに携帯を渡す。