「えぇ?!野球部のエース?一年生で?」
「ウソ。知らなかったんだ。かなり有名だよ」
ユカ曰く、長岡くんは野球の強豪校から直々の誘いが来ていたほどの選手なのに、勉強もしっかりやりたいと言うことで当校に入学した文武両道男子らしい。
「なんでそんな事知ってるの?」
「一時期、話題になっていたから知らない方が珍しいよ。それに私は美しい男が好きだって言ったでしょ?彼は水城くんの次に目を付けていたの」
「へぇ」
「へぇ、って、あのね。坊主が似合うって顔と頭の造りのバランスが難しいんだよ?彼の場合は絶妙。それにさっきクラスの女子がチラチラ見てたの気が付かなかった?」
「それには気付いていたけど…」
「あ、噂をすれば…」
ユカの目線を追って振り返って見ると、そこには3人のクラスメートの女子がいて、こちらに向かって歩いて来た。
「青柳さん」
「なに?」
「青柳さんって長岡くんと付き合っているの?」


