蛍と光


「それにしても嬉しかったよー。片思いが実ったみたい。そしたら真っ先に青柳さんに報告したくなって来ちゃった。あと日課もしなくちゃいけないし」



日課?



日課ってなんだろうと思って首を傾げると、長岡くんは身を屈めて、耳元で「好きだよ」って囁いた。



それに真っ赤になって応えると長岡くんも赤くなる。



「自分から言っておきながらその反応はなに?!」



「いや…青柳さん、いい匂いするし、照れる。こ、ここ今度からはメールにするよ」



「いや、だからそれ重いって。それに友達だから」



「そっか。そうだったね。ごめん。でも一ついい?」



「何?」



「テスト終わったら野球の試合があるんだ。それを見に来て欲しい。詳しい予定はメールするから」



「あ、うん。分かった」



スポーツ観戦は好き。


中でも野球はお父さんの影響もあって1番好きなスポーツだ。


誘ってくれてありがとう、って笑顔で答えると、長岡くんも笑顔になった。



教室から出て行く時にブンブンと手を振る感じが可笑しくてまた「ブッ」と吹き出してしまう。



「長岡くんってなんかイメージと違ったな」



「ユカ知り合い?」



「ううん。違うけど…」