蛍と光


「ちょっと、そんな怖い顔してないで、もっと青春を謳歌しなよ。学祭が終わって期末テストが終われば夏休みなんだから」



夏休み?



「そっかー!夏休みかー!どこか行こうよ!」



「蛍は単純だね」



「いいの。まずはこの前行けなかったケーキ食べに行こう!あと海も外せない。あとは〜」



「青柳さん、海行くの?」



ふと見上げるとそこにいたのは野球部男子。

イコール長岡くん。


「あ!お、おはよう」



「おはよう」



「えっと…どうかした?」



「あ、そうだよね。ごめん。いきなり現れていきなり会話に加わって」



「それは構わないけど」



ただ、一部の女子からの視線を物凄く感じる。


他クラスの男子が来るのは珍しいから…じゃないよね。



ひそひそ声だけど

『今度は長岡くん?』

『どうせ振るくせにいい顔すんなって感じ』

って声がしっかり聞こえる。