やっぱりこの教師、普通じゃない。


それに、ここ、職員室前だよ。


出勤してきた担任の姿が視界の端に見える。



ヤバイって思わないのかな?


ほら、ついに近付いてきた。

担任の佐藤先生が。



「青柳と新山先生?ここで何を?」



学年主任で規律に厳しい佐藤先生にこんな所見られるなんて、私もだけど、さすがの新山先生も終わりかも。



同情的に横目でチラッと表情を伺うと、偶然にも先生も私を見ていて、そしてウインクしてきた。



「は?」



何、その余裕?



佐藤先生に視線を移し、その直後新山先生に戻して見ればいつの間にかキリッとした表情に変わっているし。



「すみません。お騒がせして。他の生徒に特別扱いしているって思われないよう、かつ、青柳が0点を取った前代未聞の生徒だと分からないようコッソリ補習を伝えていたつもりが、どうやら誤解を生んだようです」



はい??



「あぁ。そういう事でしたか。青柳、新山先生の厚意を無下にするな。英語は大事だぞ。しっかり教えて貰え」