「『また』だと?補習は1週間。それに…」
そう言って私の耳元に唇を寄せた瞬間、周りのどよめきが聞こえた。
でも先生の甘くて低い声が発せられた事で周りの声は一瞬にして消えた。
「この前の返事。貰ってないから」
「なっ!?だってあれは…」
思わず先生の方を見てしまうと、至近距離で視線が合ってしまう。
その衝撃に消えていたはずのどよめきが耳に入り込んでくる。
「あの子、青柳蛍でしょ?」
「今度は新山先生?」
「新山先生に限って告白とかないでしょー」
「ちょっと綺麗だからってむかつく」
などなど。
好き好んでこんな事になっている訳じゃないのにー!!
「ちょっと、離して下さいっ!」
「離さない。俺様が本気じゃないと思っているから」
「はい?」
「こんなに生徒がいる前で堂々と近付いているんだ。それとも抱き締めれば分かるか?」
「変態!セクハラ!」
「物騒な事を言うな。触れてない。俺様は合意の上で触れる真面目な男だ」
「触れ…?!」