『それと俺は蛍の裸、見たことあるよ。蛍だって今も普通に見てるし』
「私の裸を見たのは昔でしょ?光の裸だって見てたとしても後ろ姿だし。それに見せ合いっこなんかしてないよ」
『じゃあ見せ合う?いいよ、俺。蛍なら』
そう言うとネクタイを外し、ワイシャツのボタンを開けたままの光がこっちに近付いて来た。
チラリと目に入る筋肉質な身体にドキッとしてしまう。
「ちょっと…え?何?」
ジリジリと距離を縮めてくる。
縮められた分、下がり、ベッドの端に移動するけど、そこは壁際でそれ以上、下がれない。
さらにベッドの上に手が置かれれば光との距離はぐっと近くなった。
「こ、光?」
『ホタル』
唇が私の名前を呟いた時、それは無音のはずなのに声が聞こえた気がした。
久しぶりに名前を呼ばれた声に全身が一気に熱くなる。
心拍数が上がる。
なにこれ。


