それでも少し考えている姿を見れば、どうしたら相手に伝わるか模索中みたい。
声を使えない光はこうやって考える事が多くなった。
手話や筆談ではなかなか感情を表現するのは難しいから。
『それで?長岡と付き合うの?』
「友達だってば」
『ふーん』って。
あまり納得いかない様子だけど、私に背を向け、着替え始めた。
その姿を見て思い出す。
「そういえば長岡くんがね、幼馴染みは裸を見せ合う仲なのか、とか言い出したんだよ。あり得ない話なのに真面目に聞くの。ほんと光が言うようにおかしな人だよね。でもそれがかえって誠実そうでいい感じなんだよね」
だから胸がもやもやして痛む。
傷つけちゃいけないって。
『俺、長岡の事、嫌いになりそう』
「え?何で?友達でしょ?」
急に何を言い出すんだか。
ついさっきは長岡くんにどうしたら友達だって伝わるか考えていたくせに。


