蛍と光


たまらなくお姉ちゃんの笑顔から顔を背けた時、親戚のおじさんたちの声が耳に入ってきた。



「想いは深くなれば深くなるほど、強ければ強くなるほど、身を滅ぼしてしまうものなんだな」



「身体だけじゃねーよ。光ちゃんの声と家族の心にダメージを与えたんだ。恋の代償が大き過ぎた」



光はお姉ちゃんが手首を切った時近くにいた。


でも周りが赤に染まる中、青くなっていくお姉ちゃんの事が怖くて助けを呼べなかった。



それがトラウマになり、声を出せなくなってしまった。




そんな恋の結末を誰が想像できただろう。



少なくとも私は、恋愛は友達が理想として話しているようなバラ色の世界なのだとずっと思ってた。



幸せの世界だと。