ウソだ、

ウソだ、


ウソだ!



「光!光!!」



グチャグチャな気持ちを抑え切れず、インターホンも鳴らさず光の家に入ると、自宅とは比べものにならないほど物凄く空気が重く苦しい。


まるで中に人が入るのを家全体が拒んでいるように。



でも光に会いたくて、会わなきゃいけなくて二階の部屋に飛び込んだ。



「いない…」



それなら、と思って入ったのは一階の和室。



そこに予想通り光はいた。


光のお母さんとお父さんと3人で。



誰が誰を支えているのか分からない状態で。



「コ…ウ…?」



そう呼び掛けても反応しない。


私に気付いていない。



その暗く光を失った視線の先にいるのは…



「お姉ちゃん…」




白装束を身に付け、化粧を施された光のお姉ちゃんがそこに寝ていた。



一人っ子の私に色々な世界を見せてくれて、教えてくれたお姉ちゃん。



綺麗で面白くて勉強もスポーツも得意な私の憧れのお姉ちゃん。



そのお姉ちゃんが眠っている。



「どうして…」