爽やかだな。

面白くていい人だし。


どうしてだろう。

告白してくれる人はみんないい人ばかりだ。


入学してすぐに告白してくれた生徒会の先輩2人もすごくいい人だった。


2人とも長岡くんと同じように一目惚れだと言って、真剣に想いを伝えてくれた。


でもそれに応えられないと言うと「気持ちを伝えたかっただけだから」「気にしなくて大丈夫」と言って笑ってくれた。


傷ついた表情をしていたのに…


その2人は噂によると現在、生徒会と部活と勉強に追われていて恋愛どころじゃないらしい。


でもその話をしていた女の子たちは私に聞こえるように「振られたショックから立ち直れないのよ」とも言った。




「蛍。すごい悩まし気な顔してる」



長岡くんに呼び出されたのを見ていたユカは席に着いた私の顔を覗き込みそう言った。



「私って人を傷つけることしかできないのかもしれない」


告白して貰って、それを断る。


いつまでこんなこと続けるんだろう。


いい加減、私に告白しようとする人が減ってくれればいいのに。


長岡くんと友達になった経緯と一緒にユカにそう話すと、ユカは真面目な顔で答えてくれた。



「ねぇ、蛍が恋話嫌いなのは知ってるけど、あえて凄い突っ込んだ事聞くよ。いい?」



「何?」



「蛍は水城くんの事、どう思っているの?」



「え?」



「長岡くんって水城くんの友達でしょ?昨日も一緒にいたもんね。だからこそ聞く耳を持って友達になってもいいって思ったんじゃないの?」



「そう…かもね」