これ以上、その事に触れないでと伝わるように口を結ぶと長岡くんは何度か頷いて理解してくれた。
「それなら俺が友達になって欲しいって言えばいいのかな？告白は取り止めて」
「え？」
「俺、青柳さんの事、すごいと思ってる」
「すごい？」
「普通さ、生徒会長みたいないい男に告白されたら付き合ってみたくなるものじゃない？」
「そうなの？知らない人なのに？」
「それだよ。そこ。俺は告白してくれた人が知らない人でも可愛いからっていうだけで付き合った。でも結局上手くいかなかった。付き合ってみて、あれ？こんな子なの？とか思っちゃったんだよね」
なんとなくだけど長岡くんの言わんとする事は分かる。
だから私に告白した時、『これから知って貰えたら嬉しい』って言ったんだ。
中には知らない人から告白されてもいつしか気持ちが寄り添い上手くいく人もいるんだろうけど長岡くんは違ったんだね。
