というよりも、それ以前に私、間違えた。



長岡くんの気持ちを忘れないなんて言っておきながら友達になるなんて、無神経過ぎだよね。



どうしたって付き合うわけにはいかないのに友達になるなんて。


そんなの結局、遅かれ早かれ傷付けるだけじゃないか。


それなら早い方がいい。



「ごめん。長岡くんの気持ちにはやっぱり応えられない。友達も止める」



「え?急にどうして?毎日気持ちを伝えるのが重いなら止めるよ」



「違うの。そうじゃない。本当に気持ちは嬉しい。でもどうしても無理なの。友達以上を望まれても応えられない。本当にごめんなさい」



そう伝えて教室に戻ろうと長岡くんに背を向けた瞬間、「諦めたくないんだ」という低い声が耳に響いた。