「光?」



心が折れそうになりかけていた時、背後から声が聞こえた。



その声にはどれだけうるさくても反応出来る。



聞きなれてはいるけど、俺の心に響く美しく透き通るような声。



蛍だ。



「どうしたの?すごいね、ハーレム状態」



『助けて』



「あはは。ムリ。いいじゃん、たまには」



なんだそれ。


笑いながら友達らしき人物とどこかに行こうとするし。



待てっ。



そう反射的に腕を掴むと蛍は驚いたように目を見開いた。



「何?」



えっと…



『写真。写真撮らせて』



「光が撮ってくれるの?」



『違う。あいつ…』



山田はどこに行ったのか周りを探してみると、廊下の端の方ですでにカメラを構えてシャッターを切っていた。



蛍が現れたのを察知して、それを逃さず撮っている。



ある意味大したヤツ。



でも…