「あぁー!新山ムカつく!なんで俺じゃダメなんだよ!!」



女子から絶大な人気を誇る生徒会長や新山先生がダメだったんだから山田のような普通の男子には無理だと万人が思うだろう。



しいて言うなら次に蛍に告白するのは誰かと男たちが牽制し合っている今が一番良いタイミングかもしれないけど、どうしたって山田は無理だと思う。



「水城!これから青柳さんのクラスに行くぞ!」



『なんで?』



山田は昨日も行っている。


また行ったりしたら確実に変な目で見られる事間違いなしだ。



「幼馴染みの水城と一緒に行けば青柳さんと親しくなれるだろ?そしてそれをあいつに見せつけてやるんだ!!」



不純な動機に俺を使うんじゃない。


そう言ってやりたいけど、筆談すればそれが残ってしまう。


だから否定的な言葉は出来る限り書きたくない。



口に出した瞬間に消える言葉というものの便利さをこういう時に痛感する。