「俺、本気で狙ってみようかな」



ん?


何だって?



『蛍に告白する気か?』



「他に誰がいるんだよ。大体、俺の夢知ってるか?」



『知らない』



「学祭、彼女と回るのが夢なんだよ。…というわけで水城。協力してくれ」



え?


俺が協力?


なんで?



「幼馴染みだろ。青柳さんの好きなものとか教えてくれ」



蛍は物に釣られるような子じゃないけど。


それに…




「止めておけ。お前じゃムリだ」



声が出たのかと思った。


でもその大人びた声は当然俺のじゃない。



「新山?!あ!何すんだよ、写真返せっ!」



いつの間にか山田の手から写真を奪った先生は取り返そうと手を伸ばす山田を軽々とかわし、白衣を翻して教壇に立つ。



「写真は必ず一度俺に見せるように。他の奴らも撮ったの持って来ーい」