蛍と光



「生徒と教師の交際なんてタブーでしょ!」



『蛍』



机に向かって勉強していた光は、ベッドでマンガを読んでいる私の肩を叩き、私が顔を上げてから言葉を紡ぐ。



『マンガに話し掛けるな。気が散る』



「私もマンガの世界の出来事だとばかり思っていたよ」



『え?まさか今度は先生に告白されたのか?』



「速攻で振ってやったけどね」



それでも今回ばかりは胸が痛まなかった。


むしろスッキリしている。


あんな心のない告白は初めて。



『蛍は本当にモテるんだな。これで何人目?』




5人目。

中学から合わせると8人。



『見た目に騙されるのかな?』



「失礼な。騙してないよ。こんな私でも可愛いと思って好きになってくれる男子がいるだけだよ」