蛍と光


「いや。まだ答えてねーだろ」



「え?」



「お前にとってはそれが悩みなんだろ?それなら俺様が特別に教えてやる」



そう言うと先生はグイッと私に顔を近付け囁くような低く甘い声で言った。




「理解ある包容力のある男。つまり年上の男。つまり俺様と付き合えばいい」




「は?」




「俺様なら他の男に引けを取らないから俺様を蹴落としてでもお前を手に入れようなんて浅はかな考えをする馬鹿な男は同年代にはない。つまり俺様がお前の彼氏になればお前は告白されずに済む。どうだ!」



どうだ、って…


頭がおかしい。


光の事があったから普通じゃない事を長所として捉えていたけど、あれは間違い。


あれは短所だ。



普通じゃなさ過ぎる。