蛍と光


「ふーん。でも誰に何を言われようが、お前が側にいたいならそれでいいじゃねーか。他人の言葉なんてな、本当に間違った時に間違っていると言ってくれる人を信じればいいんだ」



「わ~、先生って…普通じゃないね」



生徒指導する立場の人間が茶髪にしたり、紛らわしい白衣を着たり、『お前』とか丁寧な言葉を使わない事自体普通じゃないけど、それより何より、生徒自身を見てくれて尊重してくれる先生なんて今までいなかった。



教師は親や教育委員会を気にするのが普通だと思っていた。



新山先生は良い意味で普通じゃない。




「先生って歳、いくつ?」



「普通じゃないとか、年齢聞くとかほんと、失礼な女だな。」



「で、いくつ?」



「26」



「ふーん」



「お前…もっと他の反応はないのかよ」



「他?」



「『思ったより年上なんですね。若いー』とか『若そうに見えるけど年いっているんですね』とか」