蛍と光


「でも…先生は光が1人を望んでいるとは思わなかったんですか?」



中学の友達が光を受け入れる事が出来なかった最大の理由は光が放っていた人を寄せ付けないオーラのせいだった。



「お前は思ったのか?」



思うとか思わないとかじゃなかった。



側にいないと光までいなくなっちゃう。


そう思っていたから、光自身が人を寄せ付けないようにしていても、一人にする訳にはいかなかった。



「俺も思わねーな。ああいうヤツほど人の温もりが恋しいんじゃねーの?って思う。お前がいてくれて救われてるよ、きっと」



初めて。


初めてだよ。


光の人生に深く関わる他人の私を否定しない人。



「ん?どうした、眉間にシワを寄せて。スッゲー渋い顔になってるぞ?」



「『何も出来ないくせに』『いい子ぶっている』『偽善者』って言ったりしないんですね」



「ん?もしかしてあれか?あいつモテるっぽいから、嫉妬されて言われたのか?」



「同級生とかよりも…先生に言われました」



保健の先生と当時の担任に。


難しい問題だから他人が関与するな、って。