蛍と光


「俺様のクラスは水城だけが生徒じゃない。特別扱いなんかしない」



どういう事?


よくわからない。


それがどうして光に繋がるの?


首を捻ると先生は一つため息をついてから真面目な顔で言った。



「お前はさ、入学してきて周りが知らない奴らですぐに打ち解けられたか?」




「いいえ…」




ユカと話すようになったのは入学して1週間くらいしてから。



私からユカに一緒にお弁当を食べようって声を掛けた。



「…あ!」



「分かったか」



同じだ。


光は私たちと何も変わらないんだ。



光は確かに話せない。


だからと言って誰も話しかけてくれなかったら光は話せないんだ。


筆談さえ出来ない。



自分から話かける勇気は私たち以上にないから。



暗に伝えたんだ。



光に話し掛けてやれって。



入学したばかりの時期にしか使えない方法で。