失声症の高校生、光と、光に寄り添う幼馴染、蛍の話です。
ふたりは両思いですが、両思いであることは互いに知りません。
気持ちも伝えようとしません。
それは光の姉が失恋により命を絶ったことで、万が一失恋した場合、自分たちも同じように命を投げ出してしまうかもしれないと恐れているから。
止まってしまった時間。
そんなふたりの時間は光の姉が思いを寄せていた男性の兄である、ひとりの教師によって動き出します。
この教師は光への強い想いを胸に秘めている蛍に惹かれます。
蛍に近付く教師。
光に近付くクラスメイト。
互いにその姿を目にし、勘違いしてすれ違う。
でもふたりの絆を知り、贖罪の気持ちがある教師は恋を恐れる光の背中を押します。
その結果、光は声を取り戻し、蛍へ告白し、想いが通じ合います。